ペットと法律

ペットは法律上「もの」? 愛するペットのために、知っておきたいこと

「もしわたしに何かあったとき、この子はどうなるんだろう」

ペットと暮らしていると、ふとそんなことを考える瞬間があるかもしれません。

でも、「まだ元気だし」「考えるのがちょっと怖くて」と、そのまま後回しにしてしまいがちですよね。

このページは、そんな方に向けて書いています。

難しい言葉はできるだけ使わずに、「ペットと相続のきほん」をわかりやすくお伝えするようにがんばります。

もし「相続」という言葉も嫌だな、という方は、急な入院・事故にも備えようのところからだけでもどうぞゆっくり読んでみてください。(できれば「元気なうちにできること」から読み始めると、全体の流れがわかりやすいです!)

 

ペットは「家族」なのに「もの」なの?

「うちの子は家族です」

ペットを飼っている方は、そう感じている人も多いかと思います。

もしくは、「友達」「仲間」とか。

呼び方は何でもいいけれど、「大切な存在」

一緒に毎日暮らしていて、一緒に生きている。

名前を呼べば近づいてきてくれたり、

こちらが元気がないときも見ているだけで癒されたり、

心配そうにしてくれているような様子は見られたり。

体調が悪いのかな?と感じると心配して気になる。

そんな存在が「もの」として扱われると聞いたら、驚く方も多いかもしれません。

私もはじめて学んだとき、驚きました。

でも、法律上はそうなっています。

そんな事実は悲しいけれど、ただ、この事実を知っているかどうかで、大切なペットの未来が大きく変わることがあります。

今日は、ペットと法律の話を、できるだけわかりやすくお伝えします。

 

ペットが法律上「もの」として扱われるとは

日本の法律(民法)では、ペットは「物」として扱われます。

これは、ペットに人間と同じような法律上の権利がないということです。

たとえば、ペットは自分で契約を結んだり、財産を持ったりすることができません。

ペットの世話をしてほしいという意思を、法律の上で主張することもできません。

つまり、ペットは飼い主に守ってもらう存在であり、

法律の枠組みの中では「財産のひとつ」として扱われます。

この考え方が、もしもの場面で大きく影響してきます。

 

飼い主にもしものことがあったとき

飼い主が突然亡くなってしまったとき、残されたペットはどうなるのでしょうか。

法律上「物」であるペットは、他の財産と同じように「遺産」のひとつとして扱われます。

つまり、相続人(遺族)全員で話し合って(これを「遺産分割協議」といいます)、

「誰がペットを引き取るか」を決める必要があります。

このとき、こんな問題が起きることがあります。

  • 家族の誰もペットを引き取れない・引き取りたくないと言い出す
  • 引き取る人は決まったが、世話の費用を誰が負担するかでもめる
  • 飼い主の意思がわからず、ペットがどこに行けばいいかわからなくなる

悲しみの中でこうした話し合いをしなければならないのは、残された家族にとっても、

ペットにとっても、とても辛いことです。

だからこそ、元気なうちから少しだけ準備しておくことが、大切なペットを守ることにつながります。

 

元気なうちにできること

まずはできることから始めてみてください。

 

① お世話をお願いしたい人と話し合っておく

もしものときにペットの世話をお願いしたい人がいれば、事前に話し合っておきましょう。

この人なら任せられる、この人なら私の意思を汲んでくれると思える人です。

口約束でも、話し合っておくだけで全然違います。

ただし、より確実にするためには、後でご紹介する遺言書やペット信託という方法もあります。

 

② ペットの情報をまとめておく

・食事の内容

・かかりつけの病院

・好きなもの

・苦手なもの

・好きな遊びやおもちゃ

・薬を飲んでいる場合はその情報など。

できれば、普段からペットが愛用しているおもちゃや飼い主さんの匂いがついているものは、あったらペットが少しでも落ち着けるものなのでこれも忘れずに。

「この子のこと」をまとめたメモがあるだけで、引き取った方がお世話しやすくなります。

文字数や誤字も気にしないで気楽に書き始めることができる、エンディングノートに書いておくのもおすすめです。(※ただし法的効力はエンディングノートにはありませんので注意が必要です)

 

③ お世話にかかる費用を準備しておく

・ペットの食費

・医療費

・トリミング代

など、お世話には継続的な費用がかかります。

あの人なら、と思っていてもお世話は毎日途切れることなく続くものですので、

引き取ってくれる方への負担を減らすためにも、費用の準備を考えておきましょう。

 

急な入院・事故にも備えよう

まだ「もしも」なんて考えるときじゃない、と思う気持ちもわかります。

「もしも」は何があるかわからない、頭ではわかっていても憂鬱な気持ちになったりして話を聞きたくなくなることもありますよね。

そうしたら、まずは

「もしわたしが怪我をしたり、何かあって一時的に家を離れなきゃいけないとき」

の備えだけでもしてみませんか?

何かあったらお願いできる人がいるだけで、少し安心しませんか。

簡単なお世話の仕方や、どのごはんを食べているのかごはんの種類なども書いておいてあげるノート、難しかったらチェックリストのようなものでもいいので、あるときっと違いますよ!

 

遺言書でペットのことを伝える

遺言書を作成するとき、ペットのことも書き残しておくことができます。

たとえばこんなことを書き残せます。

  • ペットを誰に引き取ってほしいか
  • 世話のための費用をどう準備するか
  • ペットへの思いや、お世話のお願い

ただし、何度もお伝えして心苦しいのですが、法律上ペットは「物」と扱われるため、

「ペットの世話をすること」を条件に財産を渡す「負担付遺贈」という方法を使うことになります。

また、遺言書でお願いできるのはあくまでお願いであって、引き取る方に法律上の義務が生じるわけではありません。

だからこそ、事前に引き取ってくれる方とよく話し合っておくことが大切です。

 

ペット信託という方法

より確実にペットの将来を守りたい場合は、「ペット信託」という方法があります。

ペット信託とは、ペットのお世話のための財産をあらかじめ信頼できる方に預けておく仕組みです。

たとえばこんなことができます。

  • ペットのお世話をお願いする人(世話人)と、費用を管理する人(受託者)を別々に決める
  • 「ペットが生きている間は、毎月〇万円を世話人に渡す」という取り決めを契約で決めておく(費用を管理する受託者が渡します)
  • ペットが亡くなった後に残ったお金の行き先も決めておく

*もし残った余剰分は、お世話してくれた方へ、というのでもいいですしペットのお墓やその後の供養、寄付など自由度が高く決めることができます。

費用や手続きの手間はかかりますが、ペットの将来を守る1つの選択肢です。

 

行政書士にできること

「遺言書を書いてみたいけれど、何から始めればいいかわからない」

「ペット信託って、うちの場合はどうすればいいの?」

「引き取ってくれる人はいるけれど、ちゃんと決めておきたい」

そんな段階からでも、行政書士がお手伝いできることがあります。

  • ペットのための遺言書・財産目録の作成サポート
  • ペット信託に関するご相談・契約書の作成
  • エンディングノートの作成サポート

「まだ何も決まっていない」という状態からでも、大丈夫です。

一緒に整理していきましょう。

難しい言葉を使わずに、「うちの場合はどうすればいいか」をわかりやすくお伝えすることを大切にしています。

 

よくあるご質問

Q,引き取ってくれる人がいない場合はどうなりますか?

もし身近に引き取ってくれる方がいない場合は、動物愛護団体やペットの里親サービスを探すという方法があります。

また、ペット信託を活用して、信頼できる団体に引き取りと世話をお願いする仕組みを作ることもできます。

「身近に頼める人がいなくて困っている」という場合も、まずはご相談ください。一緒に方法を探します。

Q,費用はどのくらいかかりますか?

遺言書の作成サポートとペット信託では、費用が異なります。

また、ご状況によっても変わります。

まずは費用だけでも確認したいという段階からでも、遠慮なくお問い合わせください。

 

おわりに

ペットは法律上「もの」として扱われます。

でも、あなたにとっては大切な家族ですよね。

だからこそ、法律の枠組みの中でできることを知って、じゃあ何をしたらいいのかなって準備しておくことが大切です。

まずは「もしものとき、この子をお願いしたい人がいるかな」と考えるところから始めてみてください。

途中で「これはどうすればいいんだろう?」と思ったときには、遠慮なくご相談ください。

一緒に考えていきましょう。

 

(東久留米市・行政書士 多田行政書士かみつれ事務所) ペット相続・ペット信託のご相談はこちらから →

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