このページで分かること
- 在留カードはどこを確認すればいい?
- 週28時間の数え方
- 掛け持ちの確認方法
- 働けない業種とは?
- 採用時のチェックリスト
ルールをやさしい日本語でまとめた記事があります。
採用後の説明や、ルールの共有にご活用ください。
→「やさしい日本語|アルバイトをする留学生(りゅうがくせい)へ 大切(たいせつ)な5つのルール」
はじめに
「人手が足りないので、留学生の方をアルバイトで雇いたい」
最近、こうしたお店や会社の方が増えています。
まじめに働いてくれる留学生の方は、お店にとって、とても心強い存在ですよね。
ただ、留学生の方を雇うときには、日本人のアルバイトを雇うときとは少し違う、いくつかの確認事項があります。
そして、その確認をうっかり見落としてしまうと、雇ったお店の側も責任を問われてしまうことがあるのです。
このコラムは、脅すためのものではありません。
「先に知っておけば、防げること」を、採用担当の方に向けて、順を追ってお伝えします。
むずかしい言葉は、その都度かみくだいて説明していきますね。
なぜ、お店の側も気をつけないといけないの?
まず、いちばん大事なところからお話しします。
留学生の方が「働ける時間」や「働ける仕事」のルールを超えてしまったとき、責任を問われるのは、ご本人だけではありません。
働かせていたお店の側も、「不法就労助長罪(ふほうしゅうろうじょちょうざい)」という罪に問われる可能性があります。
これは、かんたんに言うと「働けない状態の外国人を働かせてしまった側の責任を問う」ルールです。
ここで、いちばん知っておいていただきたいことがあります。
「知らなかった」では、済まないことがあります。
在留カードを確認していなかった、といった”確認不足”があった場合は、たとえ悪気がなくても、責任を免れないことがあるとされています。
逆にいえば、採用のときにきちんと確認し、記録に残しておくことが、お店を守る何よりの備えになります。
なお、この罪の罰則は、今後さらに重くなる予定です。
現在は「3年以下の拘禁刑、または300万円以下の罰金」ですが、
法改正により、2027年4月から「5年以下・500万円以下」へ引き上げられる予定です。 (施行の時期は変わることがあるので、実際に採用される際は、そのときの最新情報をご確認ください。)
大きな金額に驚かれたかもしれません。
でも、できることがあります。
一つずつ見ていきましょう。
確認① 在留カードの「裏面」を見る
留学生の方を採用するとき、最初にすることは、在留カードの現物を見せてもらうことです。
カードの表面には「留学」と書かれています。
でも、表面だけでは、まだアルバイトができるかどうか分かりません。
大事なのは、カードの裏面です。
裏面の下のほうに「資格外活動許可(しかくがいかつどうきょか)」という欄があります。ここに、
「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く)」
といった記載があれば、アルバイトをしてよい、というしるしです。
もし、この欄が空欄(なにも書かれていない)なら、その方はまだアルバイトができません。
本人が入管で許可をもらうまでは、働いてもらうことはできない、ということになります。
偽造カード対策として、アプリも活用できます
近年は、精巧な偽物の在留カードも出回っています。
出入国在留管理庁が用意しているアプリで、カードのICチップの情報を読み取って確認する方法もあります。
確認② 「週28時間まで」の数え方を知っておく
許可を持っている留学生の方でも、働ける時間には上限があります。
原則として、1週間に28時間までです。
この「週28時間」には、間違えやすい数え方が2つあります。
ひとつは、「どの曜日から数えても、7日間で28時間を超えない」という点です。
「月曜から日曜までで28時間」ではなく、「どこで7日間を区切っても28時間以内」でなければなりません。
月の平均で考えることもできません。
もうひとつは、長期休業期間の扱いです。
学校が学則で定めた夏休み・冬休み・春休みの期間だけは、「1日8時間まで・週40時間まで」に広がります。
ただし、テスト期間で授業がない日が続くときや、ゴールデンウィークは、この「長期休業期間」には入りません。
この場合は、いつもどおり週28時間のままです。
長期休業を確かめましょう
長期休業期間の扱いは、本人の自己申告だけに頼らず、学校の学年暦(カレンダー)などで期間を確かめておくと安心です。
確認③ 「かけもち」があるかどうかを聞いておく
ここは、お店の側だけでは気づきにくい、いちばんの落とし穴です。
留学生の方が、別のお店でもアルバイトをしている場合、週28時間は、すべてのお店の時間を合計して判断します。
たとえば、自分のお店で週15時間、別のお店で週15時間。合計30時間。
これで、上限を超えてしまいます。
こわいのは、お店どうしは、おたがいの勤務時間を知らないということです。
「うちは15時間だから大丈夫」と思っていても、合計では超えていた、ということが起こりえます。
他店の勤務時間を調べる義務まではありませんが、自分のお店のシフト管理は、しっかり行う必要があります。
だからこそ、採用のときや面談のときに、「他のお店でも働いていますか?」とたずねておくことが、とても大切になります。
確認④ 「働けない仕事」があることを知っておく
留学生の方には、働けない業種があります。
よく「夜だからダメ」と思われがちですが、判断の基準は時間帯ではなく、そのお店が「風俗営業」にあたるかどうかです。
・ふつうの居酒屋・カフェ・コンビニは、夜でも働けます。
・接待をともなうお店などは、許可があっても働けません。
そして、風俗営業にあたるお店では、お客様の前に出ない裏方の仕事(お皿洗いなど)でも、働くことはできません。
「接客ではないから大丈夫」とはならない点に、ご注意ください。
ご自身のお店がこれに当たるかどうか迷われる場合は、専門家に確認しておくと安心です。
留学生の方も「知らなかった」ことがあります
留学生の方も、日本のルールを十分理解しないままアルバイトを始めてしまうことがあります。
だからこそ、お店が最初にルールを確認し、一緒に働き方を整理することは、お店を守るだけではありません。
留学生の方が安心して働き続けることにもつながります。
「働き方」の視点から雇用時に気を付けておきたいこと
ここまでは在留資格のルールのお話でしたが、最後に、働き方の面からも一言そえさせてください。
留学生の方を雇うときは、雇用契約書や雇用条件書に、勤務時間や仕事の内容をていねいに書いておくことが、お店とご本人の双方を守ります。
書いてある内容と、実際の働き方がずれてしまうと、後で「話が違う」というトラブルのもとになります。
特に勤務時間は、週28時間のルールと直結する大切な部分です。
採用のときに、時間や働き方について、おたがいに気持ちよく確認し合える仕組みをつくっておけると、いちばん安心です。
まとめ:採用時のチェックリスト
最後に、留学生の方を採用するときに確認したいことを、一覧にまとめました。ぜひ、採用の場面でお使いください。
・[ ] 在留カードの現物を見せてもらったか(コピーではなく現物を)
・[ ] カードの裏面の「資格外活動許可」欄に、許可の記載があるか
・[ ] その欄が空欄でないか(空欄なら、まだ働いてもらえません)
・[ ] 必要に応じて、在留カード等読取アプリで確認したか
・[ ] 在留カードの両面をコピーして保管したか
・[ ] 週28時間の上限を、シフトが超えていないか
・[ ] 他のお店との「かけもち」がないか、確認したか
・[ ] お店が働けない業種(風俗営業等)に当たらないか
・[ ] 長期休業期間の扱いを、学年暦などで確かめたか
・[ ] (必要に応じて)ハローワークへの届出を行ったか
迷ったときは、早めにご相談ください
「この場合はどうなるんだろう」
「うちのお店は、働いてもらって大丈夫なのかな」
そんな疑問が出てきたら、判断に迷ったまま進めず、早めにご相談ください。
採用の前に確認しておけば、お店も、そして働いてくれる留学生の方も、安心してスタートできます。
確認を怠って後から問題になるより、先に整えておくほうが、ずっと負担が少なくてすみます。
当事務所では、在留資格の確認から、雇用にあたっての気をつけたい点まで、一緒に整理していきます。
「はじめてで、何を聞けばいいか分からない」という段階でも、まったく問題ありません。
どうぞお気軽にお声かけください。
この記事についての注意点
この記事は、留学生の方の採用を考えている事業者の方に向けた、一般的な解説です。
法令や運用は変わることがあり、罰則の施行時期など、時期によって内容が異なる部分もあります。
実際のご判断にあたっては、最新の公式情報(出入国在留管理庁など)をご確認いただくか、専門家にご相談ください。 (情報は2026年7月時点のものです)
留学生の採用について、確認したいことがありましたら、お気軽にご相談ください。
[ご相談前に知っておきたいこと・ヒアリングシートはこちらから →]
あわせて読みたい
- 留学生ご本人はこちら
→「やさしい日本語|アルバイトをする留学生(りゅうがくせい)へ 大切(たいせつ)な5つのルール」
- 制度全体を知りたい方はこちら


コメント